Winter bell
ディスプレイを確認したあたしは、弾んだ声で電話に出た。


「晴稀!?」


「おう!羅夢、もう仕事終わったん?」


「終わったよ♪」


「そっか!俺も終わったんやけど、今から飯でも食いに行く?」


「うんっ♪」


間髪入れずに返事をして待ち合わせ場所を決めた後、電話を切った。


それから駅のトイレに駆け込み、念入りにメイクを直した。


晴稀と会う前は、いつもドキドキしてしまう。


だけど高鳴る鼓動が、あたしを幸せにしてくれる。


買ったばかりのグロスを丁寧に塗り直して、トイレを後にした。


晴稀との待ち合わせ場所はすぐそこなのに、あたしにはすごく遠く感じた。


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