Winter bell
「ほら、街の雰囲気とかクリスマスっぽいやん?」


「それはわかってるって!」


「じゃあ、どういう事?」


あたしが小首を傾げると、晴稀は笑顔で口を開いた。


「何か羅夢の言い方が、おもろかっただけ♪」


「えぇ〜っ!!それ、酷くない?」


拗ねながら晴稀を見上げると、彼は楽しそうに笑っていた。


「ごめん、ごめん……。拗ねんとって!今日は奢るから♪」


「いつも晴稀が奢ってくれてるやん!」


「俺は、羅夢に払わせたくないねん!」


「何で?」


「地味な男が唯一カッコ付けられるとこやから……かな」


晴稀は眉を寄せて笑いながら、冗談混じりに言った。


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