Winter bell
だけど、あたしにはその言葉が引っ掛かって…


「その言い方って、あたしが派遣で収入少ないからカッコ付けられるって事みたいじゃない?」


怪訝な顔をしながら、可愛いげの無い事を口にした。


「違うって!」


「何が違うんよ?」


慌てて否定した晴稀に、責めるような口調で尋ねた。


「収入の問題じゃないねん!俺が、ただカッコ付けたいだけやし!」


必死になっている彼が何だか可愛く見えて、軽く笑い飛ばした。


「冗談やん!」


「何やねん!喧嘩になるかと思って、焦ったっちゅーねん!」


「ならへんよ♪」


あたしは笑顔で言って、晴稀の頬にチュッとキスをした。


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