Winter bell
「お待たせしましたぁ〜!」


すぐに戻って来た山本さんは、高らかな声で言った。


別に待ってへんしっ!!


心の中で悪態をついてみても、声には出せない。


困っている晴稀を横目に、あたしは口を開いた。


「山本さん、ごめんね!あたしらはもう帰るから、またの機会に!なぁ、晴稀?」


晴稀に目配せをしたあたしは、彼に同意を求めた。


「おっ、おう!また今度……」


驚いていた晴稀もそう言うと、荷物を持って立ち上がった。


「じゃあ、行こ……」


「10分くらいなら、別にイイじゃないですかぁ〜!」


山本さんは満面の笑みであたしの言葉を遮ると、晴稀の隣にサッと座った。


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