Winter bell

そんなあたしの様子を見ていた山本さんは、見下すようにクスッと笑った。


「何？」


あたしは笑顔を繕うのもやめて、ぶっきらぼうに尋ねた。


すると、馴れた手付きでタバコに火を点けた山本さんが、フッと口角を上げて口を開いた。


「つまんない女……」


「はっ！？」


山本さんの言葉を聞いたあたしは、自分の耳を疑った。


元々、嘘っぽい笑顔に、計算高い女だと思っていたけど…。


ほんまにいてるんや……


目当ての相手がおらんくなった途端、こんなに態度変える人……


一気に、素の山本さんを見た気がした。


「どういう意味？」


だけど、ここで引く訳にもいかなくて、山本さんを見ながら喧嘩腰の笑みを浮かべた。