Winter bell
「どうしたん?」


後ろから晴稀に声を掛けられて、すぐに振り返った。


「あたし達、もう帰りますね!失礼しまぁ〜す♪」


すると、山本さんはあたしが口を開く前に財布からお金を出して晴稀に預け、後から戻って来た友達を引っ張りながら立ち去った。


残されたのは、彼女のせいで不機嫌になったあたしと、気まずそうな表情の晴稀。


あたし達は、目も合わせずに居酒屋を後にした。


キラキラと光る街を、しばらく無言のまま歩いていた。


あんな女と一緒に飲んだ上に、あの宣戦布告…。


最悪やん……


あたしは苛立ちを隠せずに、大きなため息をついた。


その直後、隣で歩いている晴稀があたしの頭をポンポンと撫でて、ゆっくりと口を開いた。


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