Winter bell
晴稀が言った“レストラン”とは、あたしが前から行きたいって言っていた場所。


高級ホテルの中にあるカップルに人気のレストランで、クリスマスシーズンなんて中々予約が取れない。


「予約取れたん?」


あたしは、不思議に思っている事を尋ねた。


「ちょっと苦労したけどな……」


晴稀はそう言って、フワッと笑った。


「ありがと……」


「おう!」


あたし達は、顔を見合わせて笑った。


「これから飲み直すか?」


「ううん、もう飲まれへん……」


アルコールに弱いあたしは、寂しく思いながら言った。


「そっか……。ほんなら送るわ♪電車やけどな!」


晴稀はあたしの手を引いて、駅に向かって歩き出した。


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