Winter bell
部屋に着くと、晴稀はあたしをベッドに寝かせてくれた。


あたしはラクになった体を起こし、彼に笑顔を見せた。


「ちょっとだけラクになった。ありがとう♪」


晴稀は安心した表情で立ち上がると、冷蔵庫から水を取り出して手渡してくれた。


「今日は、このベッド使ってええから。明日は休みなんやろ?俺は仕事やけど、羅夢はゆっくり寝とけ♪」


そう言ってニッコリと笑った彼が、奥にあるバスルームに向かった。


晴稀と一緒にゆっくり過ごせると思っていたから、少しだけ寂しくなってしまう。


「風呂沸いたら、入ってええからな♪俺はまだやらなアカン仕事があるから、相手出来ひんけど……」


彼は申し訳なさそうな笑顔を見せた後、パソコンに向かい始めた。


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