Winter bell
「……もしかして、都合悪い?」


残念そうに眉を下げた晴稀に、咄嗟に首を横に振る。


「ううん、そんな事ないけど……」


それからそう言って、笑顔を見せたけど…。


二人でご飯食べるなんて、絶対気まずいやん!


心の中では焦りながら、そう付け加えてしまった。


「予定ないんやったら、俺に付き合ってや♪一人暮らしやし、家帰っても飯なんか作らんからな……」


晴稀からの申し出に、すごく戸惑っていたけど…


心がほんの少しだけ弾んでいる事にも、ちゃんと気付いていた。


「ん〜……。わかった♪」


「サンキュ♪じゃあ、居酒屋でイイか?」


あたしは笑顔で頷いて、晴稀と一緒に居酒屋に向かった。


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