Winter bell
その時は晴稀は何も言わなかったけど、あたしはその理由をすぐに知る事になった。


あたし達はそれから何度も会うようになって、日に日にお互いの事を知っていった。


晴稀は優しいし、あたしを気遣ってくれるから変に遠慮をする必要も無くて…


一緒にいてラクだし、何よりも本当に楽しかった。


そして再会してから1ヶ月後、晴稀から思わぬ事を訊かれた。


「お前、彼氏おらんの?」


いつものように飲んだ帰り道で不意に飛んで来た質問に驚いて、彼を見上げながら目を見開いた。


「何やねん?」


「堀川がそんなん訊くの意外やん?恋愛とかあんまり興味なさそうやし……」


そう言って晴稀を見つめると、彼は照れ臭そうに視線を逸らした。


< 73 / 129 >

この作品をシェア

pagetop