Winter bell
「別に……。恋愛に興味ないとかちゃうから……」


「まぁ、それもそうかな……」


あたしはクスッと笑って、歩道橋の階段を降り始めた。


「お前ヒールやし、気ぃ付けろよ!」


後ろから心配する晴稀に、笑顔を向ける。


「大丈夫〜♪こんなん余裕やし〜♪……キャッ!」


ヤバッ……!


「ちょっ……!」


足元を確認していなかったあたしは、階段を踏み外してそのまま体制を崩した。


落ちるっ……!


咄嗟に目を瞑ったけど、足を踏み外したハズなのにどこにも痛みは無くて…


恐る恐る目を開けると、晴稀があたしの腕を掴んで支えてくれていた。


次の瞬間、顔を上げると彼と目が合って、時間が止まったかのように思えた。


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