Winter bell
「松井……」


晴稀に体を引っ張られたあたしは、気が付くと彼の腕の中にいた。


どちらの物かわからない心臓の音が、頭の中まで響いている。


「あっ、あのっ……!堀川……?」


顔を上げようとした時、晴稀はあたしの耳元に顔を近付けた。


「俺と付き合って……」


囁くような声で言った彼が、そのままあたしの体をギュッと抱き締めた。


「え……?」


「俺……お前の事、ほんまに好きやねん。だから、お前の……羅夢の傍にいたい……」


耳元で囁かれた言葉は、あたしの胸の奥まで甘く響いた。


「あたしも……好き、かも……」


あたしは頬が熱くなっていくのを感じながら小さく呟いて、ゆっくりと顔を上げた。


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