Winter bell
「もう嫌や……。別れたい……」


とうとう泣き出したあたしは、震える声で晴稀に訴えた。


「ちょっ、羅夢!?とりあえず、落ち着いて!なっ?」


「嫌や!絶対に別れるっ!!」


アルコールが入っているから、頭が正常に働いていないだけなのかもしれない。


だけど、晴稀があたし以外の女の子にも優しくするのが、すごく辛くて…。


あたしを抱いてくれない事に、何度も不安を感じて…。


どんどん惨めになっていく自分(アタシ)が、嫌で仕方なかった。


ワガママで、身勝手なだけなのかもしれない。


だけど、苦しみから抜け出す方法がこれしか無いように思えて…


あたしは、晴稀の言葉にも耳を貸さずに電話を切って、その場で泣き崩れた。


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