Winter bell
午後からは、益々苛立つ出来事ばかりだった。


「松井さん、コピー!」


「はい……」


「松井さん、会議室にお茶!」


「はい……」


「松井さん、さっきの資料はまだなん!?」


「すぐに用意します……」


給湯室での事を根に持っているのか、さっきの先輩がいつも以上に仕事を押し付けて来る。


いつもなら諦め半分で受け入れられるけど、今日は苛立ちが募るばかりだった。


「資料、まだなん!?あたしが怒られるんやから、早くしてよっ!!」


だったら、少しくらい自分でやってよ……


イヴに予定がないからって、あたしに八つ当たりせんといて欲しい……


まぁ、予定がないのはあたしも同じやけど……


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