春甘苺〜いちご〜
〜夏〜
そう……あの日。
あの日が今のあたし達を繋ぐ
運命の日
だったんだ。
「待ってぇ<emj:165><emj:165><emj:165>!!!!」
寝坊したあたしはホームへの階段をダッシュでおりる。
この電車に乗り遅れたら遅刻決定。。。この電車だっていつもより一本遅いやつだし…
「プシュー」
ドアが!いやー!神様ーーー!!!!助けてーーー!!!!なぜか手を伸ばしたあたし。するとその手は電車の中の大きな手につかまれ、強引に中に引っ張られた…
無事電車にはのれたものの…
手が……手がものすごく痛い!!!!
でも、お礼を言わなくちゃ!と思ってあたしの手をつかんでくれた人の顔を見た。すると信じられない人が立っていた…
黒谷 誓
黒谷君は学校一のモテ男でスポーツも勉強も出来て顔もカッコイイ文句なしのクールな男子。
噂では他の高校にもファンクラブがあるとか…
あ、そーだった!お礼を言わなくちゃ!
でも黒谷君に話しかけるなんて…そんな………
すごくこわい。
話してるのが誰かに見られてたら……
考えるだけでゾッとする…
でも………
お礼は言わなくっちゃねぇ?
よし。勇気をだして!!!!
「あ、あの………」
顔を見る勇気がなくって、うつむいて言ったから、聞いているのかどうかがわからない………
でも、言うだけでも…聞いて無くてもいいから…言うだけでも…と思ってもう一度口を開いた
「あ、あ、あの!さっきは手を引っ張ってくれて、ありがとうございました!」
沈黙…
やはり聞いていなかった。
がっかりしていると、いつの間にか次の駅についた。
するとうちの学校の女子がいっせいに乗ってきた。
ただでさえギュウギュウ詰めだったっていうのに…
あたしは寝坊なんか二度としないと誓った。
電車が走りだすと揺れて人がこっち側に押されてきた。あたしの目の前には中年のおっさんがいた。このままだと間違いなくおっさんがこっちに流れてくる。
もぉ、どうにでもなれ…
と思っていると。
黒谷君があたしの右側と左側に手をついた…
(もしかして…かばってくれた…?)
いやいやいやいや…
自惚れるなあたし!
今日のラブ運が絶好調だったからって……