Night Large Snake
綺麗な形の口元に私があげた絆創膏が貼ってあった。
「迎え待ち。」
静かに口が開かれる。
私はまた前に向き直る。
私は…指輪を棄てたいだけだ。
『結婚指輪』という物を自分の手から離したかった。
「…高校生?」
私は関係のない話題を出してみる。
後ろから、声が返ってきた。
「この春、やっと高2になった。」
私と同い年なのに驚いた。
やっと、って。
そんなに2年生になりたかったのかな?
「馬鹿高校で、名前書けば受かるって言われてる高校。」
笑みを含みながら後ろから声がする。