Night Large Snake

襟を掴まれた。

「ちょっ。」

「何隠してる。」

近くにある海の顔。

その瞳に見破られた気がした。

「隠してたら、守るもんも守れねぇ。」

返す言葉が見つからない。

だけど言った。

「…守ってくれるの?」

“何かあったら言え”とは言われた。

その質問に、呆れた顔で呆れた声で海は答える。

「当たり前だろ。」

…涙が零れた。

守ってくれる事が当たり前になる。

こんなに嬉しい事は初めてだと思う。

いつも一人で、偽りの笑顔でバリアを張ってきたから。

海の肩に当てた手の力が緩んだ。

自然と海の腕の中に入った。




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