Night Large Snake

そんな冷静な九条さんなら、京を怒るのかもしれない。

「何やってるのよ!」とか言って。

それで京は「最近イライラしてんだよ。」とか答えて。

この嵐みたいのは、過ぎ去ってくれる。

…私は甘すぎた。

「ここのクラスじゃないでしょう?」

予想もしない普通の会話だった。

「…あぁ。」

そして、その言葉に素直に答える京。

「そんなんだから、留年するのよ。隣のクラスでしょう?」

「間違えてた、忘れてた。」

あーあ、と伸びをして京は教室を出て行く。

まるで、自分は何もしてませんというように。

…何?

私は理解が出来なかった。

九条さんも何もなかったかのように、私に「授業始まるけど?」と横を通り、席に着く。




< 113 / 525 >

この作品をシェア

pagetop