Night Large Snake

午前中の途中で、九条さんは教室から出て戻って来なかった。

それでも私は、昼休みは屋上に行く。

驚いたことに、そこには海しか居なかった。

「京と九条さん、朝居たよね?」

そう問うと、海は自販機で買ったパックのお茶を私に差し出した。

ありがとう、と受け取り飲む。

「さっき会って、ホテル行くだと。」

へぇ、ホテル。

私は頷いた。

「え!?どっか遠くのホテルまで観光かなんか行ってしまったの!?」

「は?近くのラブホだろ?」

私の質問に怪訝な顔をして、海が答える。

ラブホ?

…それは、異世界の言葉だと思いたかった。

「恋人同士がホテル行ってする事なんてひとつだろうが。」

サラリと言ってしまう海は、やっぱり真っ黒な不良の世界の遊び人だって事が分かった。




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