Night Large Snake

吹き出しそうになったお茶を飲み込む。

『先輩を脅した』ってのは、きっと海。

上履きを今履いて居られるのも、転んでいないのも海のおかげ。

だから、少しだけ海に心を開いてみた。

「…今朝ね、うちのクラスで……。」

今朝あった事を話した。

元々無口な海は、私が話している間、相槌すら打たないで煙草を吸っていた。

話し終わった後、少し沈黙があって…。

もしかしたら、私の話聞いてなかったかもしれない、と思った。

二人きりの屋上に、海の吐いた煙が消える。

「あいつ等は、お互い尊重しあってるから強い。」

海が口を開く。

「お互いの事を信頼してるから、お互いの為になら何でも出来る。
だからお互いが“弱点”になる。」

“弱点”

「お互いがお互いに?」

私は海の吐く煙の行方を追う。




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