Night Large Snake
言いたい事?
「俺には、我が儘でもなんでも言え。」
見上げた海の瞳は黒く透き通っている。
我が儘。
頭の中で、その言葉が反響する。
「私、すごい我が儘言うかもよ?」
「出来る願いならなんでも聞いてやる。」
…海は自分で何言ってるのか分かっているのだろうか?
やっぱり賞味期限切れのプリンか何かを食べたに違いない。
「…だめ。私、甘やかさると落ちるの。」
優しさに慣れちゃいけない。
慣れて、当たり前になってしまったら狂う。
それが急に目の前から消えてしまったら、狂う。
私は視線を逸らした。