Night Large Snake

海の足音が聞こえなくなったから、私も足をピタリと止めた。

この綺麗な顔立ちの人は海のお父さんなのかもしれない。

私の家は色々あるけど、今の口調から…海の色々あるのかもしれない。

「先、行ってるね?」

気を遣ったというのに、海は私を睨んだ。

一瞬だけだけど、すごく怖い。

命の危険を感じた私は、足が止めたまま。

今度こそ金縛りだ!!

「連れ、また変えたのか?」

「あんたには、関係ないだろ。」

…“また”って…

なんてデリカシーのない人なんだろうか。

ひっそりと一人で眉間に皺を寄せた私。




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