Night Large Snake

海がこっちに手をのばした。

何か、と海の方を見ると視線がぶつかった。

私の肩を掴む海の手。

「…で?」

…で?って何??

海から発せられた言葉に困惑する。

「何が言いたいんだよ?」

やっぱりこの人、尊敬する。

言えない事があるのを何故見破るんだろうか。

何故、それを無理矢理にでも私の口から言わせようとするのだろうか。

“夏休みも溜まり場に行って良い?”

そう言おうと口を開けた瞬間、塞がれた。

急に海の舌が割り込んできて戸惑う。

……何!?

キスしてる、というのか噛みつかれている、というのか。

この際、それはどっちでも良い。

「…ん…。」

急にだったから、呼吸が保たない。

殺す気!?




< 153 / 525 >

この作品をシェア

pagetop