Night Large Snake

お花畑が見え始めた頃、海は離してくれた。

肺に酸素を送り込ませながら、ぼんやりと海の鎖骨あたりを見ていた。

海の鎖骨にかかるゴールドのチェーンが揺れる

それに顔をすり寄せるとヒヤリと冷たかった。

髪を梳かれながら、私は海に言う。

「…夏休み中も。」

「あぁ。」

「溜まり場に行って良い?」

海の私の髪を梳く手が止まり、心臓がドキリとする。

「当たり前だろうが。」

呆れたような声が聞こえた。

……私。

どうしようもなく海が好きだ。

好きってこういう気持ちなんだ。

言葉では………表せないけれど。




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