Night Large Snake
海が出て来て、私達は繁華街の中の中華料理店に行った。
その日は海が歩いて私の家まで送ってくれた。
「…向こうまでの道、分かるか?」
“向こう”っていうのは溜まり場の事。
私は頷く。
「俺はいないかもしんねぇけど、来たくなったらいつでも来い。」
「海に会いたい時は?」
「電話しろ。喧嘩中でも出てやる。」
その言葉に笑った。
玄関前の階段の所には、灯りが点いている。
海の金髪を反射させて、キラキラと光る。
「…別に雨、降らなくっても良いだろ?」
海が意味不明な事を言い出した。
「何の話?」
何の話か分からなくて、もう一度聞き直す。