Night Large Snake

海が出て来て、私達は繁華街の中の中華料理店に行った。

その日は海が歩いて私の家まで送ってくれた。

「…向こうまでの道、分かるか?」

“向こう”っていうのは溜まり場の事。

私は頷く。

「俺はいないかもしんねぇけど、来たくなったらいつでも来い。」

「海に会いたい時は?」

「電話しろ。喧嘩中でも出てやる。」

その言葉に笑った。

玄関前の階段の所には、灯りが点いている。

海の金髪を反射させて、キラキラと光る。

「…別に雨、降らなくっても良いだろ?」

海が意味不明な事を言い出した。

「何の話?」

何の話か分からなくて、もう一度聞き直す。





< 162 / 525 >

この作品をシェア

pagetop