Night Large Snake
「お前が生まれた時の話。」
驚いて目を見開く。
あの話。
海は寝てると思っていたんだけど…。
「雨降らなくっても、俺はお前が居て良かったと思ってる。それだと駄目か?」
「し…。」
「あ?」
「真剣にそういう事、言わないで…。」
私は海の顔を見ていられなくなって、視線が落ちていく。
それだけだと、誤解を招きそうだから言った。
「…恥ずかしいから…。あの、でもありがとう。」
紅潮する頬が熱い。
駄目な訳なかった。
むしろ、もったいないくらい。
「あぁ。」
頭を抱き寄せられて、目の前に海のパーカーが見えた。