Night Large Snake

知らない人が運転する三列シートがある車に、九条さんと京と海と私で乗る。

「…組の人間ばっかだけど、気にしないで。」

九条さんは窓の外を見ながら後ろの席にもたれていた。

く、組の…ヤクザっぽい人達なんだ…。

ちょっと動揺する。

「毎年の事だろうが。」

呆れたように溜め息を吐く海。

「椎名に説明してないでしょ。」

続くように溜め息を吐く九条さん。

九条さんの隣に座る京が笑っていた。

「…綺麗なとこ?」

隣の海に聞く。

毎年行ってる所だから、知ってるはず。

「結構。」

「貝殻欲しい。」

「拾っとけ。」

海がふと笑ったから、私も楽しくなるって思った。



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