Night Large Snake

繁華街のすぐ傍の駐輪場に置いてある自転車の隣にバイクを置く。

「何買うの?」

「…あ。」

私は聞かれて初めて、買うものを考えていなかった事に気づく。

それに感づいたのか、九条さんはどうしようもない、って顔で溜め息をついた。

「…海って欲しい物、あるのかな。」

「さぁ?電話すれば?」

ふんわりとしたチュニックを暑そうに扇ぎながらそんな提案をしてくれた。

…でも。

でもでもでもでもでも。

誕生日プレゼントって何も知らされずに渡されるのが嬉しいと思う。

「…うーん。」

「まぁ、兎に角。店入らない?」




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