Night Large Snake

特に良い物が思い浮かばなくて、アクセサリーショップに入った。

九条さんは慣れているみたいで、平然とした顔で歩いている。

一方、私は初めてのお店に九条さんに隠れるように歩く。

「…指輪は?」

突然止まった九条の肩に鼻をぶつけ、私も止まった。

「ゆびわ?」

鼻の痛さの方に集中していて、何の事だかよく分からなかった。

「お揃いのGOLD RINGとかあるし。」

ショーケースをコツコツと長い指でつつく。

私は億万長者じゃない。

サイズ分かんないし。

それに…。

「ピアスの方が良い。」

私はショーケースから目を逸らすように横を向いた。



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