Night Large Snake

少しのアルコールの匂いがする。

盛り上がってるせいか、私の存在をちゃんと確認してくれる人はいないらしく、私は知ってる人を探した。

知ってる人…と言っても海か九条さん。

今は、京は当てにならない。

酔ってるのか知らないけど、フラフラしているから。

わいわいがやがやとなっている道の端を通る。

なんだか、もう本当に知らない島に置き去りにされたような感じになって涙が出てくる。

「雨水。」

それを掬って…救ってくれたのはこの声。

愛しいあの人の声。

声のした方を向くと、一人掛けの深緑ソファーに座っている海の姿。

私は安心して駆け寄った。



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