Night Large Snake

「誕生日、おめでとう。」

そう言った。

海は意外という顔をする。

「…どうしたの?」

「いや、嬉しいなと思って。」

そして、少し顔を背けた。

…もしや。

照れてる!?

明日、雪が降るんじゃないでしょうか…?

真夏だけれど。

「…何笑ってんだよ。」

「微笑んでる。」

私は海の言葉を訂正して微笑んだ。

つられてか、海も笑顔を零して立ち上がる。

どこへ移動するのか、と目で追っていると怪訝な顔をされた。

「…ただ、どこに行くのかなって。」

弁解するように言う。

「こっちは、お前に席を譲ったつもりだけど。」




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