Night Large Snake

何故ならって…。

「アイツの親、楽天家だから。」

呆れたように海は笑った。

「まさか、子供に産まれた地域の名前つけるなんて。」

それに続くように私も呟く。

「ホストとキャバ嬢だからね。」

豹吾に用が終わったらしい九条さんが海にビール缶を渡した。

その姿を見上げていた私を見る。

「ちなみに私は、秋田だから。都とは一切関係ないからね。」

ニッコリとスマイルを浮かべて、そう言ってくれた。

ビール缶を受け取った海は黙って開けて、喉を鳴らしながら飲み込む。

「兄弟…いいな。」

呟く私に、九条さんはきょとんとした顔をして、次に海を見た。

「椎名がいるじゃん。」



< 221 / 525 >

この作品をシェア

pagetop