Night Large Snake
何故ならって…。
「アイツの親、楽天家だから。」
呆れたように海は笑った。
「まさか、子供に産まれた地域の名前つけるなんて。」
それに続くように私も呟く。
「ホストとキャバ嬢だからね。」
豹吾に用が終わったらしい九条さんが海にビール缶を渡した。
その姿を見上げていた私を見る。
「ちなみに私は、秋田だから。都とは一切関係ないからね。」
ニッコリとスマイルを浮かべて、そう言ってくれた。
ビール缶を受け取った海は黙って開けて、喉を鳴らしながら飲み込む。
「兄弟…いいな。」
呟く私に、九条さんはきょとんとした顔をして、次に海を見た。
「椎名がいるじゃん。」