Night Large Snake
急に睡魔が襲いかかってきて、うとうとする。
「…雨水。」
海の声に現実に引っ張り戻されて、目を開ける。
「ん?」
「今日、泊まるか?」
海の方を見る。
「泊まっても良いの?」
家に居るのは少し嫌い。
居心地の良いものじゃないから…溜まり場にいた方がすごく楽。
「良い。」
「泊まりたい…けど。」
着替えが。と言おうとした。
「親、何も言わねぇ?」
その前に海の言葉が入る。
親?
正直、あまり考えていなかった。
「…電話、かけてきても良い?」
「あぁ。」
どうしても、私は“普通”を演じ続けたいらしい。