Night Large Snake
Vicious circle.
『大蛇』の顔の海を見上げてすぐに、扉が開くような音が聞こえた。
「ありゃ?二番乗りじゃん。」
どこか懐かしいその声。
私は、痺れて力の入らなかった体を無理矢理に起こした。
「大丈夫か?」
ふわっとしゃがみこんで目の前に、海の顔が見える。
そんな声が優しくて。
私といる時の海になっていて、ホッとして…涙が出た。
「だ…大丈夫…。」
そんな言葉とは裏腹に、涙はボロボロと零れ落ちる。
「あぁ。」
優しく抱き締められた。
私もしがみつくように、海の胸に顔を埋める。