Night Large Snake
気付いたら、ふわりと足が宙に浮いていた。
バサッとかけられたのは海の着ていた学ラン…じゃなくて、特攻服。
「なんで大蛇の総長が此処にいんの?」
…忘れそうだった。
この懐かしい声。
「…潰せ。」
海の声と。
「言われなくてもそうする。」
もう一人の声。
この仲の良いような、女二人。
「………茨(イバラ)と亜利哀(アリア)?」
俵のように担がれていた私は、少し苦し紛れに言った。
「…雨水?」
亜利哀の驚きを隠せないような声が聞こえる。
「そうだよ。」
私の声が聞こえるか聞こえないかの内に、乱暴に扉が開く音がした。
海は何も言わず、歩きだす。