Night Large Snake

ペットボトルを床に置いて、海に「ありがとう。もう大丈夫、お休み。」と言おうとした。

でも、ペットボトルを置いて海の方を向くと、急に私の脇腹の横に腕を滑り込ませる。

何事か、と思い口を開いたけれど。

もう遅かった。

足は既に宙に浮いている。

私は身長が低い訳じゃなく、勿論海は結構高いのだけど…兎に角、きっと海の力は強過ぎると思った。

何故、高二の私の体重をこうも易々と持ち上げられるのか。

「お、降ろして?」

「あぁ。」

と言ったにも関わらず、海はそのまま歩く。

急に離されて、床に尻餅をつくのは嫌だから首にしがみついた。





< 270 / 525 >

この作品をシェア

pagetop