Night Large Snake

その距離があまり近いものだから…。

どこを見たら良いのかも分からなくなって。

気付いたら、こう口走っていた。

「近過ぎる!!」

…。

私はこの頃、体が脳の働きを無視する病気にかかっているんだと思う。

精神科?

内科?

「…は?」

自分の考えに没頭していた私は、海の声に我に返った。

「あ、間違えた。近すぎ…じゃなくて。あんまり…っ。」

昼休みの京みたいにあわあわと弁解する私の首筋に…。

海は噛みついた。

少しの痛みが走るけれどくすぐったい。

甘噛みだからか、海の歯が首筋に当たるとピクリと体が強張る。

「んで、何が言いたかったんだ?」

…だから、近いんですって!!

「あ…あんまり喧嘩しないで。」




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