Night Large Snake
確かに、海とファミレスに入った日、バイクの集団を見た。
あれって“走り”だったんだ…。
納得する。
雑貨屋さんに入って、シャーペンの芯を買ってもらった。
もうないのか?って迫られたから、消しゴムも買ってもらった。
「ありがと。」
「あぁ。」
次に繁華街に出た時にはもう空が紺色で…夜空になりかけていた。
歩く人の量も少しだけ多くなって、派手な服を着た人が増えた気もする。
「…綺麗。」
少し前を歩く海は、私に道を作っているようだった。
そして、思わず声になって漏れた言葉に海は振り向く。
「あ?」
それは、呆れてるとか馬鹿にしてるような声じゃなくて、単純に聞き返している声。