Night Large Snake

その隣には、見知らぬ男の人。

お母さんは柔らかく微笑んでいた。

何を思ったのか、海は握る手に少し力を入れる。

分かってた。

でも、ショックだった。

海が“喧嘩してる”と聞いた時と同じような気持ちになる。

分かっているのに、そう思う気持ちは、変わらない。

変えられない。

「…海。」

「あ?」

「今日、やっぱり泊まっても良い?」

「当たり前だろ。」

家じゃない場所に、私の居場所がある。

それを“当たり前”だって言ってくれる人がいる。

その事に、涙が流れそうになった。




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