Night Large Snake
苦笑気味に話す海を見て本当に良い家庭に育ったんだな、と思った。
それと同時に…何故、暴走族の総長になってしまったのか不思議に思う。
「…そんな良すぎる環境に育ったから、こんなにひねくれた。」
まるで、私の心を読んだかのようだった。
私は少しドキリとして、海は窓の外を見る。
そういえば、このファミレスに来た時っていつもこの席。
もしかしたら、海の指定席なのかもしれない。
窓の外は、ロマンの欠片もない繁華街の灯り。
でも、綺麗。
「いつか…会ってみたい。」
私は、呟いた。
「あぁ…。誕生日おめでとう。」
差し出された海の手からうけとったものは。
いつか私が欲しいと言った黒い兎のストラップだった。