Night Large Snake
眉を寄せると、九条さんは口を開いた。
「京母に会ったの。」
「京のお母さんに?」
あの…ホステスだったと言われるお母さんに。
「会ったより、捕まった。正月に家に帰って来ないんなら、俺の大事な単車を壊すって脅された。」
この怯えようから見て、過去に単車を壊されてしまった事があるらしい。
私は苦笑いを浮かべ、海を見た。
「いつもの事だろうが。」
海が溜め息を吐くと、九条さんはフッと笑う。
「豹吾は帰ってんだけどね。」
「なんで京は帰らないの?」
疑問を口にする。
「しょっちゅう居る奴より、たまにしか居ない奴の方が色々面倒でしょう?」