Night Large Snake
でも、それを言うのはズルい気がした。
海は本当はすごく優しいから。
私が言ったら、やりたくてもやらないかもしれない。
「…寝ろ。」
降りてきた手は、涙を拭ってくれた。
でも、海の胸板に顔を埋めてまた静かに泣いた。
目を覚ましたら、隣に海がいた。
綺麗な穏やかな顔をして眠っている。
ぼーっとしていたら、海が起きた。
「……。」
何も言えない。
海の顔が近付いて、キスをする。
口の間から割り込んでくる舌に、天国を見せられながら。
それ以上は何もしなかった。