Night Large Snake
少々不機嫌ともとれる九条さんは…京の反応にそれなりに楽しんでいたと見える。
私は平和に座り込む海の隣に小さい雪だるまを作った。
本当に小さくて…きっと雪が止んだら溶けてしまうと思った。
「…亀か?」
海の声に、自分の美術センスの無さを恨む。
「亀に見える?」
「うさぎか?」
「うさ…。」
「あぁ、だるまか。」
理解出来たらしい海。
「見えない?」
私は心配になって聞くと
「いや、見える。」
平然と答えていた。
やはり、次の日にはもう雪だるまは溶けていた。
私の瞳には、その時の風景の残像がしっかりと残っていた。