Night Large Snake

それが少し悲しくもある。
…諦めなくてはならないから。

「気分悪いのか?」

隣に座った海は、言葉を発する。
京と九条さんは何も答えずに黙っていた。

「…おい。」

早く答えないと、海怒ると思う。

少し機嫌の悪くなった声を聞きながら、私は黙っていた。

「雨水、お前に言ってんだよ。」

急に名前を呼ばれてびっくりした。

「わ、私?」

私は急いで海の方を向いて聞く。

「他に誰が居んだよ。」

「京とか九条さんとか…。」

「いやいや、海が俺等の心配するなんて100年に一度だろうな。」



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