Night Large Snake
邪険な感情を振り払うように、必死に眠りに努めた。
起きてると、不安定な感情で押し潰されそうになる。
怖い。
誰かが離れることがこんなに怖いなんて。
いっそのこと、嫌われてしまおう。
私からは突き放せないから。
もう…手遅れみたい。
気付いた時には、トマトジュースより濃い色が手首から滴っている。
自分の手首を見る。
細長い傷跡の中に細い薄い新しい傷が出来ている。
切っていた。
私は慌てて包帯をまき直して、カッターナイフを手放す。
「う……。」
私は弱い。