Night Large Snake

口から漏れた言葉。

信じたいのに信じられない。
決めたいのに決められない。
何故か今、すごく悲しいのに…

涙が出ない。


急に肩を掴まれた。

「…大丈夫か?」

視界に入ったのは、黒い石のピアス。

「あ……海?」

「腹痛いのか?」

「え?え…何?」

突然で、しかも会いたくないと思っていた相手に。

「午後フケて、なんで海来てんだ?」

心配するような顔で、こっちを見る。

私は思わず目を逸らして膝に顔をうずめた。

「大丈夫。」

「寒いからじゃねぇ?」

冷たい風が吹く。



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