Night Large Snake
平穏の中を生きたい私が何故、夜の北街の一角にいるのか。

正確に言うと、私はこの大通りを抜ける海に行きたい。

そして、何より海に行くまでの道がここしかないのだ。

私は人混みに紛れ込んで歩いた。

シャッターに寄りかかる頭をミルクティー色に染めたギャルの子を眼見して睨み返された。

もの珍しい世界だった。

どこか不完全なような。

全てが揃っているような。

ふと視線をガードレールの方に持って行くと、金色が見えた。

立ち止まると、後ろから来た人に舌打ちをされた。

びっくりして肩を竦めながら、ガードレールの方へ寄った。




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