Night Large Snake

九条さんの前に静かに移動する。

私の問いかけには答えずただ小さく呟いた。

「…なんで?」

その声を聞き終えないうちに、屋上の扉の開く音が聞こえた。

「なんであんたがここに来んのよ。」

九条さんのとげとげしい声が聞こえる。

「なんでってなぁ?俺、一応ここの生徒だし。」

「黙れ、留年のくせに。」

京のふざけた声。

…二人は知り合いらしい。

確かに九条さんは不良の世界ではすごいらしいし、『夜の大蛇』が強いのも充分承知だけど。

犬猿の仲なのかな?

にしては、京は笑ってるけど。

「大原雨水を巻き込んだの?」

九条さんの声は、苛ついていた。

「そりゃあ、海のお気に入りだからな。」

同じようにパンに食いつく京。



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