Night Large Snake

叫んだら、その噛む力は緩まって。

「消毒。」

「…悪化した。」

海に笑われて、口を噤むと次は抱き締められた。

さっきから行動の意味が分からない。

「…なんか、色々誤解してるらしいけど。とりあえず、何聞いたのか言え。」

「聞いたんじゃなくて…見たの。」

「何を?」

温かい。
また眠ってしまいそう。

「…バレンタインデーの日。」

片足を夢の世界に入れながら答える。

濡れた海の髪がちょっと冷たい。

でも、舌打ちが聞こえて目が覚める。

「溜まり場来てんじゃねぇか。」



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