Night Large Snake

はぁ、と深呼吸か溜め息かを吐き出しつつ九条さんは姿勢を崩した。

「つまり、ね。九条都がいる“夜の大蛇”の総長である椎名に近づいて、飲み込もうとした。」

「…“夜の大蛇”を?」

「そう…。それで、椎名に捨てられた後にまた泣きついてきたのよ。」

捨てられたって…。

家柄が家柄だと、すごく大変。

一般家庭の私には、分からない問題だけど。

「…だから、ごめん。」

九条さんには分かる。

「あたしが居たから、あの女は近寄ってきたわけで。それが無かったら、うーも椎名から離れることは無かった。」



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